一緒に灯台の光を灯し続けよう(アイナナ大神万理夢)
第3章 行方不明の女子力
お昼ご飯は私が惰眠を貪っている間に大神さんが作ってくれていた。大神さんの中で私の女子力はダダ下がりしてるのは確定してると思う。彼氏に尽くす女を演出するつもりだったのに、出鼻をくじかれた。
落ち込む私の前に、形の綺麗なオムレツと色とりどりのサラダのワンプレートとスープと温められたパンが用意された。
「すごい…!」
「昔から自炊はしてたからね」
大神さんの過去に触れたのは初めてで、思わず大神さんを見つめてしまった。
「そうだね。さんには俺の昔の話聞いてもらいたいな。全然面白い話しじゃないんだけどね」
柔らかな視線で見つめられ、大きく頷いてみせた。
「でも、その前に食事にしようか」