第1章 夢で会ったキミへ
──第二次攘夷戦争
激しさを増す戦況は劣勢の一途をたどった。
共に過ごしてきた仲間が、次々と屍として並べられる日々。
慣れとは恐ろしいもので、銀時は同志の死に何も感じなくなっていた。
それは共に戦っていた他の者達も同じで、異常な事だと頭では分かっていながらも増え続ける屍を見て涙が出なかった。
"明日は自分かもしれない"
そんな考えすら…頭に過ぎる日常。
そんな中で彼女だけは…だけは違った。
毎晩、毎晩、目を泣き腫らして友の"死"を悲しんで泣いた
この場で泣かない友の分まで…
その日も、廃寺にまた新しい屍が並べられる。
見慣れた光景。
友の前で跪き涙を流すの姿。
──戦で疲れ果て、眠りに着いた夜更け。
寝床にの姿がない事に気づいた銀時。
の居場所を知っていた銀時は彼女が居るであろう場所に向かった。そこは廃寺の瓦屋根の上。銀時の予想通りはそこにいた。
脚立を使って屋根まで登った銀時に
──ねぇ…銀時
夜空を見つめたまま、は銀時の名前を呼ぶ。
あの頃はたまにこうしてと夜空を眺めた。と見上げる星空は格別に綺麗で、それは星空が綺麗だったのか星を眺めるが綺麗だったのか…どちらにしても格別に輝いて見えた
『私…この国が好き』
の声は、微かに震えていた。
きっとまた一人で泣いていたのだろう。──…この世を去った友の事を思って。
『小太郎みたいにお国の為とか、そんな立派な理由じゃないの。みんなが居るから、みんなが居てくれるから…みんなが居てくれるこの国を、守りたいって思うの』
どうして、あの時の俺は気づかなかったんだろう。
が自分より友を優先する女だって
分かってた…はずなのに
『だって、みんなが笑っているこの国が…私は大好きだから』
俺だって同じ気持ちだった。
お前が笑ってるから…やアイツらがいるから
だからこの国が好きなんだ。
だからこそ、伝えるべきだった。
"自分を大切にしてくれ"
改めて約束するべきだった。
が一番…壊れてしまいそうだったのに。