第1章 根
♪〜
あぁ今この瞬間、ビアノを引いている時だけが私にとっての幸せな瞬間だ。そして、この弾いている時の自分だけなら好きになれる。
人間で幸せだと思った事はこれしかない。
来世は生き物にはなりたくないな。
そう考えながら一心不乱にピアノを弾き語る。
自分のオリジナルの曲だ。
曲名はIunfairWorld アイアンフェアワールド
私の不公平な世界という意味だ。
この世界の不平等さを曲にした、私の一番お気に入りの曲。
そんな曲を弾き終わって、家に帰ろうとした、その時だった。
ガシッ!
私「へっ?」
???「あの、、」
誰かに話しかけられた。
ドキドキしながら後ろを振り返ると、
マスクをした男性がいた。
私「えっと、どこかでお会いしましたかね?、、」
そう言うと男性は首を横に振り、マスクを外して言った。
???「あの、僕の事見た事ありませんか、?」
よく見ると最近話題のすとぷりのメンバーのさとみさんだった。
私「あー、すとぷりのさとみさんですか?」
さとみ「えっ、なんで驚かないんですか、?普通だったら絶対驚くのに。」
まぁ、そりやぁ、そうだろ。私は普通じゃない。
アニオタ歴12年。腐女子歴11年の究極のヲタク女子なのだからな。
今更駅で歌い手を見た所で驚く事か。
同じ人間なのだから会うのは有り得るに決まっている。
私「まぁ、私は普通じゃないので、?、それでなんの御用件でしょう?」
すると彼は戸惑ったように言った。
さとみ「えっ、と、、さっきの曲、誰の曲ですか?」
?なんだ曲か。
はん。てっきり名前でも聞いてくるのかと思うたわ。
まぁ、おしえてやるか。
私「私が作った曲です。それが何か?」
パシッ
さとみ「!!凄いですね!」
彼は私の手を掴みそう言った。
私「、あ、ありがとうございます、?。」
さとみ「あっ、そう言えばあなたの名前を聞いてなかったです。教えて貰えますか?」
私「はぁ、いいですけど、私の名前は真神桜奈です。」