第2章 柱合会議
千聡はカナエの近付く気配に少し後ずさる。
その様子を横で見ていた義勇は千聡の困った雰囲気を感じ、カナエを止めようとするが眼が治ることはいいことなので判断に悩み考え込んでいた。
「おィ、胡蝶ォ…。嫌が「さぁ、ゆっくりでいいから眼を開けてみて。」
実弥が止めに入るがその言葉を遮り、千聡の眼に手を近づけながら優しく話しかける。
カナエの手が千聡の眼に触れようとしたその時、カナエの手首を掴む手が現れた。
「胡蝶様…。何を行なっているのでしょうか?」
突然の深聡の声に皆の動きが止まる。
「千聡さんの眼を診せてもらおうとしただけよ。」
カナエは内心驚きながら努めて平常心で答える。
「………。」
ほんの少しの間、沈黙が流れる。
「…そうでしたか。」
深聡はゆっくりとカナエから手を離す。
「胡蝶様。お気遣いはありがたいのですが、千聡の眼は医学で治るものではございません。」
「それは…。」
深聡の思いがけない言葉に悲鳴嶼が声をこぼす。
「私の視力は産屋敷様と同じ類によるものです。」
千聡が静かに話す。
「なので…胡蝶様からのせっかくのお申し出ですが、お気持ちだけいただきます。」
「そう…。」