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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第16章 覚醒のトリガー


『うん。タンクに呪霊が近付けないようにすれば良いんでしょ?……なら…、
──髪降ろし"ヨミ"』

今の自分の式髪の白髪具合は進行は僅か。けれども後ろから流れているモノは元々が私から抽出したもの。
それを式髪に溜めず、現段階で使いながらに私の中に春日の血縁者、先程死んだばかりの祖母を喚び出した。祖母が得意とする呪術は守る事だった。縛りを付けてたとはいえ、家に呪いを近付けないようにする事をしてた。ならばこの場でそれを使えば良い。呪力はすぐに補給が出来たから。

私を中心に空気に拒絶されて押されていく呪霊達。へえ、こういう風になるんだ……、と関心しながらに自身の身体から術式発動中と祖母を降ろしてる間の呪力を調整した。失いながらにタンクから補給するように、と……あまり吸いすぎると白髪化の進行が進んでしまうかもしれないし、そんなヘマで死にたくないし。
私はまだここで死ぬわけにはいかないから。

『"死んで早々に私を使うとは何事だ"……死人に口無しだよ、婆ちゃん。私を死なせたくなかったらたったひとつしかない口を使わないでくれる?今はちょっと余裕がないし"本当に生意気な孫娘だ、お前は"聞いてんの?私の身体はあんたみたいに耳が遠いわけじゃないんだけれど?』

末裔ほど権力があるし、私自身の身体だから喋らないで欲しいなぁ、と見えない壁に補給地点が見えるのに行けない!と嘆く呪霊が虎杖の逕庭拳で祓われていくなんとも言えない悲しげな顔を見た。
普段呼び寄せる立場なのに弾き飛ばすのはこういう感じなんだ、安心感あるなぁ…と少しでも痛み以外の事を考えるようにしていた。

……いつだったか、出血が酷い時は治療で行けると思っていたけれど。怪我とかなら回復しても血液を犠牲とした時は治せないのかもしれない、さっきから自分に触れてやろうにも頭痛もめまいも収まらない。使う度に酷くなり、長くなればその痛みの継続期間が辛い。

あまり動けず、ただタンクに呪霊が来ないようにしている中で視界に悟が駆けてくるのが見える。パシュ、と呪霊が弾き飛ばされた光景…悟が苦戦していたみたいだ、多分皆を気にして色々と術が使いたくとも使えないって枷があったんだろうけれど。
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