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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


「先に言うぜ?僕はハルカを身代わりにする為だとか、道具にする為に見つけたワケじゃない。
僕は腐った呪術界の上層部を綺麗サッパリしたいだけ。それに利用されるキミら一族を、そんなやつらの道具にはされたくないんだよねぇ」

『……はい?』

えっ…。
それじゃあ私は、無駄に体力使って屋敷に戻ってったって事じゃない?
失礼な事しちゃって、しかもそれでひとりになって…危険な目に遭ったんじゃない?

『私、悟さんの話聞く前に逃げてたって事じゃーん……』

「危機感持ってくれたって事で僕は多少は安心したけれどね」

はぁ、とため息を吐いて、足に力を入れる。大丈夫、もう立ち上がる事が出来る。
私が立ち上がると遅れて悟も立ち上がった。座っている時は大差ない視線が一致に離れて差がつく。私は見上げながらお礼を伝えることにした。

『その……呪いから守ってくれてありがとう。いいヤツだったんだね、悟さん。
性格はちょっとアレだけれど』
「はぁ?アレって何かな」

……はっきり言ってしまえば性格は良くは無いのでアレと言ってぼかした。出会ってから何度も感じたことだし。
悟は不満そうに、少し頬を膨らませている。

「僕の好感度そんなに上がって無いっぽい?普通もっと上がるでしょー?」

『マイナスからは抜けられたんじゃない?』
「今何ポイント?」

これまでの事をそんなポイント形式に正確には数えていない。
計算をした、というよりも現在目の前の男に思う採点を口に出した。

『100点満点中56ポイントくらい?』
「意外と高め?」
『……はい、たった今46ポイントになりました』

口をへの字に曲げて肩を落としている。そういう所はちょっとおもしろいけれど。
私は自分が走ってきた、屋敷の方向を見た。ここからじゃ屋敷は見えない。傾斜があるからなんだろう。

「今のうちに作戦会議しとこうか。春日家で疑われるからもうちょい僕らはくっついてた方が良さそうだね。ハルカちゃんの事、呼び捨てにした方が良い?ハニーって言っとく?あっそれともずっと手を繋いどく?」
『その件だけれど。
龍太郎さんに、付き合ってないって言っちゃったんだよねぇ…、それで途中まで追いかけられたのもあってここに居るっていうか……えへへ…』
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