第3章 闇地
紫政は無表情のまま無抵抗な私に近付くと、胸ぐらを掴み目線の高さまで上げられ、横目にカカシが私の発動した術で身体中に龍が巻き付く形で手足を動かせなくて、術を解くように身体を捻らせて声を荒げて怒ってる……。
「ぐぅ……い…意図は読めたでしょ?残念だけど……私じゃ、アナタに敵わない……私の事は好きにすれば良い……だけど、里と仲間にこれ以上……手を出さないで…」
「……捨て身か……」
「止めろ、ミズキ!!お前が犠牲になる必要ない!!早く、この術を解いて!」
「……ごめん、カカシ……でも、コレが今とれる最善の方法!!後は……お願いね?」
「……友情ごっこか…?……くだらないな……」
「え……?ッゥア!!」
「止めろ、紫政!!ミズキに手を出すな!!」
ミズキが完全に戦意を捨ててる……里のために、仲間のために犠牲になろうとするなよ!そもそも紫政さんは冷徹……くそっ!!ミズキはみぞおちを蹴り付けられて、岩壁に背中をぶつけ倒れた……動けよ、オレ!!目の前でミズキ が……!
「……カカシ、煩いぞ…?オレより弱いお前たちが悪い……あの時、火影ども三人だけではなく、この男も出すべきだったな?ミズキ、お前は殺す……どの道、後々厄介になる……」
「私は殺せ!!…だけど、カカシは……里のみんなは関係ない……どうせ私の死体は持って行くんだろ?それで充分でしょ!」
「ああ、持って行く……カカシは今回は見逃してやる……足掻いてもお前の力ではもう領域は作れないからな?」
「フッ……ありがとう……」
『ミズキ!ふざけるな!!火影命令だっ!!死ぬのは許さないよ!!自来也!早くしろ!』
『分かっとるわ!!ミズキ、もう少し!!』
「………」
「………綱手様……ジラちゃま……ありがとう……」
「紫政!!やめろぉっ!!」
良かった……私が死ねばカカシも里のみんなも助かる……綱手様、ジラちゃま…ごめんなさい……カカシは悪くないから自分を責めないでね?私は紫政の言葉を聞て安堵し、瓦礫に背を預ける形で立ち上がり、謝罪の念を込めて笑みを浮かべると紫政が突きの構えをし、私は火影岩へ目をやった……パパ……私もそっちに行くね……。