第2章 葛藤
私が病院を抜け出した事により大きな騒動になっているとは知らず、誰にも気付かれない様に里を歩き、いつもと変わらず暗部室へ向かいライトのいる部屋の扉を叩いた。
「誰だ!?急ぎじゃなけりゃ後だ!ライが居なくなった!!」
「…… ライです」
「ライか!よし、ライが病室から消えた!至きゅ……はぁ?」
「入りますよ?」
ライトさん、一人漫才?面白くないけど……と、特に気にも止めず、押し黙った事に怪訝な顔を浮かべながら扉を開くと次はヌリ壁の様に仁王立ちするライトさんが立ち塞がった……なんなの、これ……。
「〜〜〜ミズキ!!!」
「いや、ここ暗部室ですから……コードでお願いします……」
「てめぇ、何してんだ、こんなとこで?しかも病院抜け出して?今、どれだけパニックになってると思ってる!」
「……暗部規定で回復したら、手続き関係は後日、通常時に行く事になってるでしょ」
「それでも大概、担当看護師には声掛けるだろーが!______!」
ああ……始まった……ライトさん怒ると長いんだよね……うぅ……この圧迫感……もう、黙っとこう……と時が過ぎるまでヌリ壁化してるライトさんを見ていた……せめてソファだったら良いのに……誰か来たら丸見えじゃん……にしても…長いな……もう30分になる……あッ!終わりそう♡と、面がない事を忘れ、いつも通り笑みを浮かべてしまった……。
「____って訳で………で、なんで笑ってんだ?ミズキ……面がねーからバレバレだぞ?」
「ッ!?え、あ、いや、ほら、久々にライトさんに説教喰らって、もうすぐ終わ___じゃなくて、部下を想う暖かさに嬉しくなっちゃって……つい………」
「はぁー……三代目、相当苦労されたな……お前、説教くらいまくってたからな………要するに終わりそうで、嬉しかった訳だな?で、何しに来た?ライには回復まで休むように指示してたが?」
「ライトさん、もう大丈夫です。書類、任務分担も任務に当る者も、人手も足りない……休んでなんかいられませんよ」
ライトさんの目が本気で怒ってる?こう言うやり取りなら何回かあったけど……ま、本気で心配してくれてるんだろーなぁ……こんな私を……ごめんなさい……私はじっとしてられないんです……。