第4章 記憶
オレとカカシが到着した頃には、既にミズキは黒龍に護られながら眠りにつき、見慣れた景色は跡形もなく炎に包まれ、周りに倒れる忍の数に目を見開いた。
「……黒龍……遅くなってすまない…… ミズキちゃんが“眠ってる”と言うことは……レンジさん達はもう……」
『……ああ……少し遅かったな…… ミズキも今、封印が終わった所だ……カカシ坊の記憶が戻って気付いてただろ…………レンジとミトカは逝った……遺体は残ってない……龍神達が取り込んだからな……主格は大蛇丸……アイツもお前が来る前に逃げた……そして___だ……レンジが警戒してたな……』
「……やはり、そうだったんだね……これは、ミズキちゃんが?」
『……ああ、自らレンジの封印を解いて龍宿展篶まで使った……ミズキは喜助以上の力を持っているのかもしれないな…』
「………黒龍、君はどうするの?ミズキと一緒?」
『……いや、オレもこの子の力が再び目醒めるまで眠りに付く…… オレ自身の封印も含まれているんだ……全てを失う条件に……さて、ミナト、ミズキを任せるぞ?』
「……ああ…」
黒龍からミズキちゃんを受け取り、状況を確認すると黒龍は静かに姿を消した………レンジさん、ミトカさん……… ミズキは大切に育てます……必ず……オレはまだ小さいミズキを抱き締め誓うように空を見上げると間も無くして到着した暗部へこの場を任せ、カカシと共に里へ戻った……。
“…………わ……からない……や……こ……こないで……ぅええ……こわい……よ……や…だよ……もう…………”
「くそ……アイツの指示か……ワシらのおらぬ所でこそこそとっ!!里では一族のただ一人の生き残りという事が広まっておる……こうなれば、ワシの家で引き取るか……」
「いえ、三代目____」
数日後、目を覚ましたミズキは今までの記憶を全て失っており、一族の力を欲しがる者達により、オレ達の不在中に術で記憶を呼び起こそうとする者や奪い合う声にミズキは怯え苦しみ、心を落として来たかの様に笑顔を無くしていた……。
オレは約束通り、養女として引き取るを告げると、三代目より通達が送られ、龍香一族の事は里では一切の口外を禁じられた……。