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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第17章 納涼祭へキミと行きたい!


東堂が早口でまくしたてた。

「とてもよく似合っているぞさん!
咲き誇る花の柄がキミの持つ神秘的なまでのかわいらしさをよく引き立てている!
黒地なのも夜になったら闇に溶けて、さぞ幻想的だろうな!」
「さすが東堂くん!
まず会ったら服をべた褒めする!っていうデートの基本が分かってるねー」
「ワッハッハ、当然だ。
女子の欲しい言葉を欲しいだけ掛けてやれるのがオレという男だ。
オレのトークにかかれば、それが例えキミのような奇跡の女のコであっても褒めることは容易いな!」

この場は東堂が一歩リードした形となった。


「じゃあ、行こうかー」

真ん中にを挟む形で四人は祭りの行われる神社へと入っていった。

「インターハイが終わって、残りの夏休みは何してたの?」
「もちろん坂を登ってましたよ。
山頂の景色を来年こそ、本当に最初に手に入れる為に」
「ひたすら受験勉強だヨ。
オレ誰にも言ってないけど、かなり偏差値の高い大学狙ってっからァ」
「む、そうなのか、荒北。
しかし今言ってしまっているではないか」
「っせ、お前に言ってねーヨ」
「お前の普段の授業態度を省みるに、相当根をつめて努力しないと難しいのではないか?」
「だからァ、今努力してるっつってんだろが」

東堂はなぜか食い下がった。

「しかしお前は受験科目でさえも他人のノートを借りまくっているともっぱらのうわさだぞ。
ほら、確か橋本さんと言ったかな。
あの女子なども荒北にノートを写させられて心底困惑しているのではないか?」

真波も会話に加わってきた。

「橋本さんってもしかしてミス・ハコガク候補の人でしたっけ?
確か荒北さんと同じクラスの……」

「おめーら、ほんっとうにうっぜぇな」

よけいなことチャンの前で言うんじゃねー。
ほら、考え込んじまったじゃねーか。
オレのかわいい子猫チャンが黙っちまった。

事実、は考え込んでしまっていた。

橋本さんってインターハイのちょっと前に公園で荒北に告白してたコだよね……

あのコの本気の想いの前には憧れさえ抱いたよ……
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