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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第17章 納涼祭へキミと行きたい!


プルルルルル……

インターハイが終わり、夏も盛りを過ぎたある日の夕方、自宅にいたの電話が突然鳴った。

「はい」
「さん!
元気かさん!
どうした声に覇気がないぞ。
まさか夏バテではないだろうな!
ちゃんと夏野菜などとっているか?」
「いや、東堂くんがインハイ終わってから毎日のように電話してくるから、さすがに声も聞き飽きたっていうか……」
「むぅ……この美形から紡がれるテノールを聞き飽きるはずがないのだが……
そんな面白いことを言ってくれたのはさんが初めてだよ。
そう、キミはいつもオレに初めての感情をくれる。
だからオレはキミの体調を気遣うことでも気持ちを返していきたいのだ。
例え直接会うのが難しくても……」
「えーと、特に用事があってかけてきたわけじゃないんだね?」
「用事ならあるぞ!」

そう言ったきり、急に黙りこくってしまった東堂をフシギに思っただったが、それを聞き出さなければ電話は切れないのだろうな、と察した為、

「遠慮しないで言って?」

と、にこやかに言ってみた。

「その……今週の土曜に神奈川県最大の納涼祭りがあることは知っているか?
よければオレと一緒に行って欲しいのだが」

はその日は確か花火大会も重なっていたはず……と思い出した。
何となくセラと一緒に行くつもりでいただったが、アタシと一緒に行くとか、おかしいでしょ!と断られてしまっていたのだ。

「いいよー。
私も行きたいと思ってたところ。
あまり夜遅くまではムリだけど……」

電話の向こうで東堂が顔を輝かせた気配がした。

「本当か?!
では約束だぞ。
楽しみだな!心躍るな!
キミの私服をまたひとつ知ることができるのだな。
そうやってキミのことをひとつひとつ知っていくのがオレの喜びであり……」

はうんざりして、遮った。

「じゃあ、土曜の18時頃、あそこの神社で待ち合わせでいい?」
「ああ、海の時はやむを得ず、遅刻してしまったが、今度は絶対にキミを待たせたりしないよ!
少しでもこちらが後から行くと、どうせ悪い虫が付いてるからな……
では土曜日はよろしく頼む!」
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