インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第15章 天の邪鬼の大いなる純情
東堂はと目が合うとにっこり微笑んだ。
「おお、さん。
今日も相変わらずびっくりするほど可愛らしいな。
ん?だが、少しやつれていないか?
どうしたんだ、昨日はよく眠れたか?」
そう言って、慌てるの頭をぽんぽんしてきた東堂を見た荒北は、
「あれ、真波じゃねーか?
じゃーねェ、チャン、オレたちもう行くからァ。
今日から三日間、楽しんでいけよ。
他人にガンバレ言われンのはごめんだが、お前の応援なら別だ」
「さん、今日のレースの中盤には山岳ステージというものがあってな……
そこの頂で、待っていて欲しいのだ。
キミがいてくれれば、オレは最初に辿り着ける!
宿命のライバルに競り勝ってな……
そもそもオレの宿命のライバルとはどんなやつなのかと言うと、巻ちゃんといってな……
キミも実は見たことあると思うが、一度見たらこのオレ以上に忘れ難い容姿をしている。
何しろ玉虫色の髪に……」
「尽八、靖友、そろそろ壇上に上がる時間だ。
おっと、ちゃん、おはよう!
三人で一体何の話をしていたのかは知らないが、気合いは十分過ぎるくらいみたいだな」
さわやかに新開が現れた。
「おう」
「じゃあ、行ってくる、美作さん、山頂で会おう!」
はぎこちなく微笑んで、三人といったん別れた。
「靖友……どうせ告るなら、壇上で、観客全員の前でやれば面白かったのに」
「てめ、しっかり聞いてたのかヨ。
やるわけねーだろ。
どっかのバカならやりかねないけどォ」
「む、バカではないな!」
「お前、ほんとにやったのか?!」
「すみませーん、皆さん、遅れました!
えっ、東堂さん、何したんですかー?」
「遅いぞ、真波!」
三人のいつもと変わらぬやり取りを見た新開は苦笑した。
「それにしても、告白はインハイ終わったタイミングがベストだーとか言ってなかったか?
全く若いってのは……」
一方、二択が三択になってしまったことに深いため息をこぼしていたは無事、セラと合流し、開会式を見ることができた。
「ふぅ……間に合った……」
「間に合ってねーよ」