インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第12章 見越したぞ、チームメイトでライバルよ
「そーゆーワケだ。
聞いてたか、福ちゃん?
話に付き合わせて悪かったな。
優勝しようぜ……必ず!」
「当然だ。
オレたちは王者だ。
それにしてさん?ってひとは、海と部室で会ったきりだが、とても魅力的な人物なのだな。
その歌声、オレも聴いてみたかったな……」
「ゴ……ゴメンよ、福ちゃん。
そう言えば聴いたことないっけ、チャンの歌」
「さんの歌を一度も聴いたことがないとは、とんでもない不幸せ者だな、フクよ!
さんの歌声は言うならばこの世の全てを浄化する大輪の花にも等しい、どこまでも透明感のあるソプラノで……」
「だーっ、もう、うるせーよ、お前!」
「うるさくはないな!
これはとても重要なことだぞっ」