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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第11章 ナンパ師から、守れっ


数日後、夜も更けた頃、のケータイが鳴った。
知らない番号からだったため、は黙って出てみた。

「…………」
「さん!
オレ、今年のインターハイのメンバーに選ばれました!」
「…………」
「自信はあったけど、すごく嬉しくて。
だってインハイに出れたら、全ての高きを目指す者の頂点を最初に見れるかも知れない。
そのことをさんに一番最初に報告したくって」
「どいつもこいつもってやつだけど……どうして私の番号知ってるの?」
「この間約束しましたよね?
オレがインハイのメンバー入りしたら、聞いて欲しい話があるって。
明日……明日、会って聞いてくれませんか?」

には明日は新曲の練習をして、ライブの打ち合わせに出て、たっぷり半身浴する、という予定らしきものがあった。

は思った。
質問に答えてこないし、断ろう……けど、真波くんの声……わずかに震えてる……?

「いいよ、どこに行けばいいの?」
「初めて逢った日の、あの小岳の頂に夜になったら来てください。
オレのお気に入りの場所なんです。
って言ってもあの日以来、一度も行ってないけど」
「それってお気に入りって言う?」
「あの場所はさんとだけの思い出の場所にしたいんです。
ずっと後からでも思い出し合って、笑い合えるような……」
「それなら心配いらないよ。
私もあの場所はけっこう気に入ってるから。
じゃあ、明日ね」


電話を切られた真波は思った。
さん、相変わらずよく解ってないなー。
どう言えばはっきり伝えられるかな?
一時たりとも消えずに胸を支配するこの想いを…………
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