インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第11章 ナンパ師から、守れっ
「さん……やっぱこーゆーどさくさに紛れたカンジで告白しても、あなたというひとにはまるで響かないみたいですね。
……来月にインターハイがありますよね。
そこで……そこでオレが一年だけど6人目の……最後のメンバーになれたら、聞いて欲しいことがあります。
聞いてくれる?」
「うん、真波くんには助けてもらったし……ハナシ聞くくらいならいくらでもできるよ!」
「…………ありがとうございます」
東堂さん、荒北さん……出し抜く……まではいかなかったけど、オレが一歩リードしたのは間違いない……かな?
プルルルルル……
その日の深夜、に電話をかけたセラは驚いた。
「えっ、真波くんと付き合うことになったんじゃないの?」
「付き合う訳ないでしょ。あのコもどーせ恋に焦がれてるだけだよ?
相手は誰かでもいいから、カノジョとか……欲しい年頃なんだって!」
「そんなわけないでしょ?!
そんな半端な気持ちの男とをふたりきりになんかさせない」
「あ゛ーーー、セラ、あのチャラ男と真波くんの言い合いの場にいたの?!」
セラはギクッとなった。
「どうして真波くんと一緒に助けてくれなかったんだよーーー!
セラは私のこと友人だと思ってないの?」
「真波を男にするために仕方なかったのよ……」
「何それ、わけわかんないっ」
「それにしても、あの告白をオーケーした状況から見事に逆転しちゃうとは……真波くんは今夜眠れるのかなー?
かわいそうに」
「普段から眠れてないみたいだから、大丈夫よ。
私はいっぱい寝ないとだめだけど。
じゃあ、そーゆーわけで、おやすみー!」
プツッと電話が、切れた。
「うーん、がもう少し視野を広げれば、あるいは……」