インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第11章 ナンパ師から、守れっ
あっ……ノリで応えちゃったよーーー
と、は内心焦っていたが、上気した頬に、手を口元に当てて照れる様なしぐさは、どう見ても恋する女のコにしか見えなかった。
「そうか……ちゃんが、こんなガキが趣味だったとはな……
……しばらくキミのことは忘れらんねーだろうな……
ちょっとだけ、本気で欲しかったんだ。
というか、今も欲しい。
オイ、真波っつったかてめえ!
おめーちゃんを辛い目に遇わせたら許さねェ!
その時はすぐさまオレが、ちゃんを迎えに行くからな!
約束しろ、趣味にかまけてちゃんを孤独には決してしないと……!」
は思った。
このチャラ男鋭いな。
ここでいくら私をスキスキ言ってても、結局、自転車最優先なんでしょーからね。
このコも……
「約束はしません。
オレとあなたでは想いの強さがが違い過ぎる。
はなから勝負になっていないんです。
でも、さんを幸せにすることだけは、オレ自身に誓いましょう」
「くあーーっ
ホンットむかつくガキだぜ……!
だが、その意気なら、ちゃんを幸せにできるかも知れねーな……
あばよ!
邪魔者は今日のところは退散するぜ!」
堂々と去っていったチャラ男はある女の前を通り過ぎた。
「真波くんをこっそり舞台裏に呼んだのは吉と出たみたいね!
まさか、真波くんが告白して、がそれに応えるとまでは思わなかったけど。
さてと、本当に邪魔者は退散するとするか!」
「……さん……
さっきオレのものになってくれるって言いましたよね?
それってつまり、オレのこと好きってことですよね?」
「…………」
「否定しなかったってことは、本当にオレがカレシでいいんすね?
さんも心の底からオレのこと……」
「!!あいつを追い払うために黙ってただけよ!
カレのフリしてくれたことには感謝するし、真波くんのことはキライじゃないよ、絶対!
でも、それだけ。
てか、真波くんだって、私を助けてくれるために、オレのもの~とか、適当に言ってくれたんじゃないの?!」
だめだこのひとーーーーー!
オレの本気の本気が全く伝わってない!
真波は絶望した。