インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第10章 ハコガク潜入作戦
真剣なまなざしでを射抜く東堂。
「オレがすきなのはさん自身……の歌だっ!!」
東堂は言い切ってしまってから、本日二度目の後悔をした。
あと一歩で気持ちを伝えられそうだったのに!
「急に歌?
でもそうだよね、歌が好きだから、制服まで調達してくれたんだよね、
この制服を着て歌う時にはぜひまた聴きにきてっ」
「……必ず……必ず聴きに行くよ。
さん……」
思わず、の左手をがしっと握ったところで、カギを開ける音がして、ガラガラ……とドアが開いた。
「午後イチから練習すんのかよ、福ちゃん。
放課後に死ぬほどしごかれンの、分かり切ってるって言うのによー」
「そういう荒北も練習する気で部室まで来たのだろう」
「あ゛ア?
東堂が女連れ込んでメシ食ってやがる!
……ってチャン?!」
「ヒュウ!
尽八やるな!
こんな暗い中で……ってちゃんじゃないか」
後ろから真波もひょっこりカオを覗かせた。
「皆さん、どうかしたんすかー?
ってさん?!」
いきなり現れた大人数に、は決まり悪く笑うしかなかった。
「あは、ばれちゃったものは仕方ないね。
でもお願い、私がハコガクに忍び込んだことはここまでの秘密にして欲しいの!
私にできることなら何でもするから……」
すると、東堂がをかばうように立ち塞がった。
「する必要はないな!
こいつらにウチの制服姿を見せてやっただけでも十分過ぎるくらいだ。
本当は誰にも見せたくなかった……」
箱根学園の制服姿のを初めて見た荒北と真波は、そのあまりのかわいらしさに、完全に心を射抜かれていた。
オレと同じ姿、同じニオイのチャン……
今すぐその制服姿のまま、犯して、もっと同化して溶け合いたくなるくらいの、キセキ的な可愛さじゃナイ……
「ったく、おめーに制服貸した女はさぞ、ザンネンな、体型だったんだろーなァ、
よかったネ。
ぴったりのサイズがキセキ的にあって」
荒北はいつもの調子で口では毒付いてしまい、すぐ後悔した。