インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第10章 ハコガク潜入作戦
そう言っては東堂を後ろ向きにひっくり返すと、勝手に着替え始めた。
東堂はパニックを起こしかけていた。
夢の中で想像するしかなかったさんの下着姿が、今振り返れば、そこにある……
男!東堂尽八!
ここで見なければ、一生後悔する!
見てから告白すればいい!
そう思って、振り返ると、の白い背中がそこにはあった。
は後ろを向いていて、気付いていない。
「さん!」
下着姿のを、思わず抱きすくめると、はびくっと身体を震わせた。
「ば……か。
何してんの。
見ないって、約束したじゃない」
「そんな約束、した覚えはないな……」
の肩口にカオをうずめながら、東堂は呟いた。
「さん……キミに伝えたいことがある。
オレはずっとキミのことが……」
その時、始業を告げる鐘が鳴った。
は、我に返ったように、東堂の腕を掴んだ。
「……今日はっ、お弁当作ってくるって約束だったよね?
まさか、それまで忘れちゃってないよね?
早く食べないと、暑いし、お弁当痛んじゃうよ」
などと言うので、東堂は仕方なく、を解放した。
「すまなかったな……
もう見ないと今度こそ約束するから、安心して着替えてくれ」
そう、自分を抑えて、東堂は言った。
が再び、着替えている間、東堂は思った。
やはり、どさくさに紛れるのはよくないな……告白する時はもっと堂々と……
「着替えたよー」
東堂はいつかに許されて、ハダカを見てやると決意を新たにした。
というか、次の瞬間には、違うことに完全に心奪われていた。
な……何てかわいらしいんだ……
オレとお揃いの水色のセーラーに、短めのスカート。
いくら何でもかわいすぎる……
言葉が出てこない東堂に、は言った。
「下着のほうがよかったかな?
なーにも感想とかないんだね。
せっかくマインドキャッチャーのが、次の衣装を先行してキミだけに見せてるのに」