• テキストサイズ

インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第8章 沖までキミを引っ張りたい!


東堂が、手でこぶしを作って宣言した。

「オレは……オレはの見ている前で宿命のライバルに勝利する!
そして、ハコガクを必ず優勝へと導いてみせよう!」

キミの応援があれば、オレは、何だってできる。
不可能を可能にすることだって。
ましてやこれは不可能なんかじゃない。
このオレが全力を尽くせば、きっと成し遂げられることのハズ!

真波も大きな瞳をぎらりと光らせながら、言った。

「さんが、応援してくれるなら、絶対出場したいなー
泣いてるさん、オレだけ見たことないのは悔しいけど、やっぱりさんには笑ってて欲しいから、今度は感動で泣かせたいな」

少し日焼けした新開もさわやかに笑った。

「オレもセラとちゃんが応援に来てくれるなら心強いよ。
差し入れはレモンの蜂蜜付けとチョコレート。それから……」

「ハイハイ、食欲と性欲の権化のおめーは黙ってろ」

荒北がすかさず言い放つ。

「応援があるから勝つわけではないが、士気を高めてくれるのはありがたい。
セラさん、さん、当日はよろしく頼む」

主将の言葉に、セラが明るく応えた。

「まっかしといて!
横断幕とか作ってっちゃおうかなー」
「それはぜひ“山神”と書いて欲しいな!」

ノリノリで喜んでいる東堂に、が冷たく言った。

「作るわけないでしょ。
それに何?山神って」
「?!知らないのか?
このオレが山を登る時の他を、寄せ付けないあまりの速さゆえに付いた二つ名だ。
ちなみに他にも二つ名があって、オレの圧倒的にロスの少ない静かなクライムは……」

「東堂くんが、静か?
それはギャグで言ってるのかな?」
「東堂さんに余分なのは口数だけなんですよ、これでも」
「真波!フォローになっていないぞ!」

「っせーよ、お前ら、もうオレは疲れたぜ。
ほら解散しろ、解散!」

荒北が促した為、その場でお開きとなり、海での長い1日は終了した。
/ 118ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp