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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第8章 沖までキミを引っ張りたい!


福富がぽつりと言った。

「海とは、広いものだな。
海の上に走る道がないのが残念なくらいだ」
「福チャン……まあ、今年のインハイの舞台も地元開催で、近くに海があるし」
「そうだな」

福富が、荒北の言葉にうなづくと、セラがあきれたようにくすくす笑った。

「またすぐ自転車のハナシになるのね!
ほんと、男のコってあきないんだからー」

新開がセラにウインクした。

「ロマンがあっていいだろ?
まあ、みんなが楽しめたみたいで、オレとしても計画したかいがあったよ
なあ、セラ?」

「そうね。
遅刻の主催者さん。
すごく暑かったけど、アタシも楽しかったわ」

「う……一筋縄じゃいかねーな、セラも」


一同は本来の朝の集合場所まで戻ってきた。
その頃には夜になっていた。

「さっき、真波くんと東堂くん、何言おうとしたの?」
「おお、そうだ、そのコトなのだが、8月のインターハイ、ぜひ見に来てくれないか。
荒北も言った通り、今年はちょうど地元開催だし」

セラが即答した。

「もちろん、行くわよ。
たぶん、全日行ける。
その為に予定も空けてあるの!
ねぇ、?」
「うん……きっと見に行くよ。
私ロードレース観るの好きだし」

東堂と真波はカオを、輝かせた。

「そうか!
ありがとう!
それで……オレたち箱根学園を一番に応援してくれるか?」

セラは、
「そんなコト訊くまでもないでしょ。
当然、応援するわよ」

も、一瞬黙りこんだが、
「分かった!
応援する!一番に。
だからきっと……きっと連覇してね!」

と、答えた。

「……アンタ……もういいのね?」

セラが嬉しそうに、言った。

「うん、もういいの。
だから、きっと優勝してね!
この勝利の女神がついてるんだから!」

「だーれが勝利の女神だよ。
魔女の間違いだろ。
てか、あの日泣いてたことはもういーんだな。オレは、甘ちゃんだと思って見てたけどネ」

荒北はいやみを言いつつも、心の中では思っていた。
別に勝利にこだわらなくたって、あの日からお前はずっとオレの中心に居座る女神だヨ……
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