インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第8章 沖までキミを引っ張りたい!
真波がの唇に触れそうになるまでたこ焼きを接近させ、それが熱かったので、はつい、口を開けて食べてしまった。
「熱くないですか?
全部食べられそうですか?
タコはちゃんと入ってましたか?」
キラキラした目で質問しまくる真波に、たこ焼きを頬張っていたはやっとのことで、
「……うん……」
と答えると、
「はい、じゃあ、ふたつ目――――」
などと言ってくるので、
「う……ホントにもうひとりで食べられるから!
気づかってくれてアリガト!」
真波からがたこ焼きを奪い取ると、セラが
「そういえば、もうとっくにお昼過ぎてるわね」
と言い出した。
「そうだな。
ハラも減ってきたし、オレたちも昼メシにするか」
新開がどこからか取り出したパワーバーをかじりながら言ったため、の体調も考慮して、涼しい海の家で昼食にすることになった。
荒北、東堂、真波、新開、福富、、セラの7人は、風通しのよい海の家で円卓を囲んで軽食をとっていた。
「さん、具合はどうですか?」
の左隣で真波がおにぎりにぱくつきながら訊くと、は元気よく返事をした。
「うん、もう大丈夫!
てかはじめから大丈夫だけど」
右隣でラーメンを食べていた東堂が、
「そう強がる必要はないよ。
不謹慎かも知れないが、オレはキミの弱い一面が見れて、支えになれたことを嬉しく思っている」
などと言う。
「東堂さんてSだったんすかー?
ところで前から聞きたかったんですけど、さんとセラさんは、大学生なんですよね?
何を勉強してるんですか?」
「いやSでは……オレもさんたちのことはぜひ知りたいな!
やはり、音楽を勉強しているのだろうか?」
は少し困ったように答えた。
「んーん、音楽とか、全然関係ない、ふつうの机の上でのお勉強をしてるよ。
セラと一緒にね。
私はどこででだって歌い続けられるし……それが重要なこと。
それとセラといることかなー」
「ヒュウ!
女のコどうしの友情ってほんとにあるんだな」
二杯目のカレーライスを食べながら、新開がはやした。