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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第8章 沖までキミを引っ張りたい!


「そうですか。
ありがとうございます。
ハイ、しばらく安静にして……」

東堂がドクターと話していると、荒北が

「大事じゃなくてよかったネ」

とまた優しく言ってきた。

はドギマギしながらも、歯切れ悪く返事をした。

「うん……その……悪かったわね。
せっかく楽しく遊んでるところに水差しちゃって」
「こんなに水がたくさんある海だ。
誰も気にしちゃいねーよ。
つーか、変に気にすんなヨ?
お前は自分の体調を良くするコトだけ考えてろ。
昨日の夜はちゃんと寝たか?
今日はしっかり寝ろよ」

は荒北、優しいじゃん……と思いながら、

「夜は寝たけど……今朝から何も食べてなかったかも。
ほら、少しでも痩せて見られたかったから」

と、照れながら言った。

「こンのバァカチャンが!!
ンなコトどーでもいいんだよ!!
何も食べなくていいわけねーだろ!!
入らなくても何かしら口に入れて来いよ!
たく、待ってろ、今たこ焼き買ってきてやっから。
たこ焼きでいいよな?」

急に怒り出してはいなくなってしまった荒北に、はワケも分からず、あの男、やっぱり優しくなんてない!とむくれていると、東堂が近づいてきた。

「さん、もう心配ないようだが、念のため日陰でしばらく休んでいよう。
オレもキミとずっと一緒にいるよ。
何も怖くない」

と優しく微笑むので、

「ありがと、優しいね、東堂くんは」

と微笑み返すと

「当然だ!
このオレを構成するものとして、女子への優しさは欠かせないからな!
しかし、そんな普遍的な優しさからキミと接しているワケでは、実はないぞ。
オレはキミをたったひとりの大切な……」

東堂が演説を始めようとしたところに、真波が皆を連れて戻ってきた。

「ちょっと、、大丈夫なの?!
溺れかけたって!!」
「ちゃん、体調悪かったのか?
気付かなくてゴメンな」

新開が心配そうに言うと、福富も、

「大丈夫か、貧血と聞いたが、そういう時は横になって鉄分を摂るといいぞ」

とアドバイスをくれた。
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