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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第4章 インターハイ前の肩慣らしにも全力で


「笑え!巻ちゃん!
オレはお前の健闘を惜しみなく讃えようとしているのだぞ。
つらい難所も急なカーブもものともせず、お前はオレとしのぎを削りあい、そして最後に……」

「分かったって言ってるっショ………………ありがとヨ、東堂」

「巻ちゃ――――――ん!!
次は……次こそは負けねーぞ!!」

そう言って東堂は立ち上がると、巻島をビシッと指さした。


少し離れたところで見ていたセラがくすくす笑った。

「なーに?
あの1位と2位のひと。
速くてかっこいいことはいいけれど、漫才でもしてるわけ?」

げっ……東堂……こんなところで会うなんて、と思ったは友人の興味をそらそうとした。

「漫才でもしてるんじゃない。
それより3位が入ってくるみたいよ」

「第3位は……またしても箱根学園!真波山岳選手です!」


息を切らしながらゴールした真波を見て、セラがはしゃいだ。

「やだ、かわいいー!」


隣ではまたしても驚いていた。
あっあのコ……4月の初めに山の頂で会ったカオが近い男のコ!……だよね?
えっ……こっちに来る?!

自然な動作で至近距離まで近づいてきた真波は動けずにいるに、


「さんですよね?」

疲れを感じさせないにっこりしたようすで話しかけてきた。

「せんぱいたちがすごくかわいらしい女のコが見に来てるってさっき話してましたよ」
「は……かわいい……?」

混乱するに真波はたたみかけた。

「でもさんはオレの中ではかわいいなんてはるかに超えてます」

「えっと……かわいいをはるかに超えるってことは、おばさんじみてるとでも言うつもりかしら?」

とっさに変な切り替えしをしたに、隣で聞いていたセラはそんなわけねーだろ、と思った。

「そんなわけないでしょう。
ただただかわいくて、愛しくて、あなたのことを考えると胸が苦しくなって、今すぐ抱きしめたくなるんだ……」
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