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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第3章 問うことなかれ、それは恋か?


東堂がの目をまっすぐ見つめながら、返事を待つ間、はで混乱していた。

なんなのこのひと……何よ、私の歌を褒めた人なんていくらでもいたわよ。

今までどれだけいたと思ってるの……でも……でも……この人の目……本当にきれいな青……純粋に感動したって言ってる。

なんてひたむきな瞳の色……惹きこまれそう…………

「い……いわよ、聞いてあげても。
あなたの話。
あなたは一体何をがんばってるの?」

瞬間、東堂は世界が色づき、木々がざわめくのを感じた。

カオに紅が差していくのを、胸に熱いものが広がっていくのを感じた。


「オレはロードバイクに乗って走る、いわばクライマー!
そこに山があれば登るしかない男だ!
しかしオレは登れるだけでなく、もう気付いているかも知れねーが、トークも切れる!
さらにハコガク随一の美形でもある!
そうオレは東堂!東堂尽……」

「東堂くん」

じっと下から覗き込まれ、東堂は胸が高鳴った。

「な……何だね?」

「私、ひとつのことを一生懸命頑張ってるひとが好きなの。
登れるのか、しゃべれるのか、イケメンなのかよく解からないあなたとはあんまり仲良くなれないかなっ」

してやったりといういたずらな表情を浮かべるに

「む。完全に決まったと思ったオレの口上にそんな切り替えし方をするとは……」

今まで口上を述べれば、頬を染めてうなずく女子ばかり知っていた東堂にとってその反応は新鮮だった。
気分を損ねるどころか、ますますに惹かれる自分を感じていた。

「じゃーね、東堂くん。
でもまた会いましょう!」

「?!ああ、必ず!」

いやここで逃がしてしまってはいけないと思いながらも、にまた会えると言ってもらえたことが嬉しく、東堂は反射的に不確かな約束をしてしまっていた。
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