インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第23章 不確かな未来
「、洋南、受かった」
「そう、おめでとう」
「受かったら、言おうと思ってたことがあンだ。
その、後四年かかっちまうけど、オレが卒業したら、オレと……」
「じゃあ、さよなら。
私この先もずっと荒北のこと好きでいられる自信ない。
こんな数ヶ月会わなかっただけで、不安でいっぱい。
キミのこと、信じられない。
離れてても、近くても、いつも隣に居られたら、って思ってたけど……
キミの考えが解らなくて、心もいつも近くにはなかった」
「待てよ!
これからいくらでも会えるじゃねーか!
お前が行きたいって言ってたあの店に行ったっていい!
ずっと一緒に……」
「私は未来の約束より今が欲しかった!
キミは夢がいっぱいあって未来を行きていくんだろうけど、私には今しかなかった!
キミは強いよ。
私なしでもやっていける。
だって、前日に会わなくても合格できた。
だから……」
の目元にはいつしか涙がきらりと光っていた。
「じゃあね。
大学はホント、楽しいから、思い出、いっぱい作って……」
は泣きながらその場を立ち去った。
荒北はポケットの指輪を握りしめた。