インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第22章 文化祭ミスコン!!
荒北はと出逢ってからのことを思い出していた。
一年間、インハイの会場で泣いてた正体不明のこいつに焦がれて練習に打ち込んだ日々、
再会できて世界がオレたちふたりのものだったらいいのにと願った瞬間、
バカふたりが直球に勝負をしかけようとすンのに気が気じゃなかった日々、
押し殺したって殺しきれやしない激情を隠さないと決めた瞬間、
みんな、みんな、こいつがいなかったら存在しなかった時間だ。
喜びと苦しさ、どっちが上回ってたかっつたら、すぐには答えらンねーかも知れねェ。
ただ一生忘れたくねェ大切な時間だったことは確かだ。
「何考えてるの?
またどーせ、私には荒北の気持ちはばかだから理解できないとか、失礼なこと思ってるんじゃないでしょーね」
「そうだな、オレの気持ちの強さはおいおい分かってくれればいーヨ」
「今じゃ理解できないみたいな言い方!
これでも現代文の成績はいーんだからね」
「相変わらずギャンギャンうるさい子猫チャンだなァ。
いいだろ?
これから時間はたっぷりあンだから」
「そうかもね。
いろんなところ、連れて行ってね。
どこでもついて行ってあげるから。
でもつまんない思いさせたら、私のこと放ったらかしにしたら、知らないから」
「ハ!上等だヨ。
オレは引っ張ってくのは得意なんだ。
ホラ、行くぞ……」