インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第21章 ハコガク文化祭に行こー!
「なンでこんなことに……」
5分後、そこには執事の制服に身を包んだ東堂と荒北がいた。
東堂がたちの方を向いて叫んだ。
「さん!セラさん!」
「あっ気付いてたんだ、さすが東堂くん!
執事、似合ってるよ!」
「そうだろう!そうだろう!
どんな人混みでもオレの目は必ずキミを見つけ出す!
山より高いキミへの想いと人並み外れた洞察力がそれを可能にするのだ。
何せオレは天から三物を与えられた男だからな」
荒北が後ろからいらいらしたように言った。
「はーい、分かったからァ、おめーはあそこでギャーギャー騒いでる女どもの相手してな」
「ギャーギャーなどと言うのはよくないな!
このオレが執事の格好をしているのだから盛り上がってしまうのは致し方あるまい!」
「はいはい、仕方ないよねェー」
荒北は東堂の首根っこを掴むと、女子の群れに放った。
「キャー、東堂くーん!!」
「み……さん!
オレはまだキミの今日の私服を目に焼き付けてない……」
東堂は女子の群れに飲み込まれていった。
「よォ、よく来たな。
ウチの文化祭は各模擬店や出し物で客数を競ってる。
上位の団体には賞金が出る。
どいつもこいつも必死なンだ」
荒北がたちに解説した。
「そうなんだ。
一生懸命頑張る高校生たちって純粋でかわいーね」
「だからァ、純粋な気持ちじゃないの。
まあ、いい。
この後一緒に見て廻る時間あるか?」
「うん、あるよー」
「あらあら、じゃあ邪魔者は退散するとしますかね」
セラが気を遣って席を離れようとした時、女子の群れから開放されたらしい東堂と真波が戻って来た。
「何の話をしているんだ?
抜け駆けは良くないな!荒北!」
「そうですよ。この状態からふたりきりはさすがに無理ですって!
どーせなら皆で見て廻りましょうよ!
オレももうすぐシフト終わって自由時間になるので!」
結局、皆で見て廻ることになった。