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インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]

第21章 ハコガク文化祭に行こー!


真波の教室に足を踏み入ると、そこは洋風のカフェのようなシックな空間だった。

ゆったりとしたBGMと共に、甘い匂いもわずかに漂う。

「お帰りなさいませ、お嬢様」
「こちらメニューでございますー」

席に案内されたとセラにそう言って微笑んできた執事服の男は……

「真波くん!」

「こんにちは。
夏祭り以来ですね。
さんとセラさんがオレのクラスの模擬店に来てくれるなんてまじ嬉しいなぁ。
さん、そのうちの制服オレ的に100点……」

「せーのっ……真波くーん!!」

女子の集団が真波を呼んだ。

「あっ、はーい。
では、ゆっくりしてって下さいね」
「きゃーかっこいい!」
「目線ちょうだいー!」
「そのまま、そのまま」

はあっという間に女子に囲まれて見えなくなった真波にびっくりしていた。
真波くん……すごい人気だ……やっぱその……イケメンなんだなぁ。
100点て何だろ?

「コーヒーとチョコレートケーキのセットにするわ」
「私はレモンティーと洋梨のタルトで」

ふたりが注文がくるのを待ちながら、店内の凝った洋風な装飾を眺めていると、入口で歓声が湧き起こった。

「うむ。見に来てやったぞ!真波」
「すんげー甘いニオイすンな」

「東堂さん!荒北さん!」

「可愛い後輩の晴れ舞台だからな!
なかなかいい内装に仕上げたじゃないか!」

「ありがとうございます」

すると、真波と同じクラスなのだろう、執事の服装をした男子生徒が東堂たちに近寄って言った。

「ご存知の通り、集客数を競ってるんです。
よかったら少しでいいので東堂センパイも執事の格好して、協力してくれませんか?
真波の自転車のよしみってことでひとつ!」
「いいだろう!」

東堂はすぐにノッた。
荒北はとたんに嫌そうな顔をした。

「ったく、予定と違ェだろが。
いくらオレらは三年で出し物がないとはいえ」
「荒北さんも、お願いできますか?」
「できねーよ、バァカ。
つーか、お前、ずうずうしいな」
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