インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第21章 ハコガク文化祭に行こー!
はぎくりとした。
「全く、私の周りにはカンが鋭いコが多すぎるよ」
「いーかげん先延ばしにされるとこっちも退屈……いえ、彼らだってずっと飼い殺し、生殺し状態でかわいそうじゃない」
「先に言ったのが本音でしょ。
分かってる……私だってこれ以上三人を宙ぶらりんな状態にさせておくことはできない。
例え彼らがそれでいいって言ってたとしても……」
「……」
「ちゃんと……決めるよ」
「よし!よく言った。
おねーさんは楽しみにさせてもらうわ」
「ホント、こういう話が大好物だよね、セラは」
時間は一瞬で過ぎ去り、文化祭の日がやって来た。
「セラー、お待たせっ」
「待ってないわ。
って、その格好……」
はいつか東堂から借りた箱根学園女子のセーラーを着ていた。
「だめかな?
ホントはハコガク通いたかったけど、無理だったから、せめて今日の服装だけでもって思ったの」
「だめって言ってもあんた、聞くコじゃないでしょ。
仕方ないわね。
行きましょうか」
「やったー!」
箱根学園の入口には”第○○回ハコガク祭“と書かれた巨大なアーチが掲げられていた。
パンフレットを受け取り、アーチを潜ると、たくさんの出店の立て看板がふたりを最初に迎え、それを過ぎると実際の出店や露店が目に飛び込んできた。
スーパーボールすくいやロシアンルーレットたこ焼きなどメジャーなものから、バッティングセンターや、キックターゲット、特設ボルダリングといったさすが私立としかいいようのないものまである。
校庭の中央には豪華な特設ステージがあり、はここで歌うのだと待ち焦がれる気分を噛み締めた。
「すごいわね。
高校の文化祭とは思えないくらい、本格的!」
「自転車部の出し物は、何処にあるのかな?」
「うーん、見付からないわね。
真波くんのクラスの出し物は、見付かったけど。
二階の教室でやってるみたい」
「へー、真波くんってクラスのコたちと、ちゃんと仲良くできてるのかな?
見に行こう!」
ふたりは二階へと向かった。