インターハイの山頂をキミに[東堂VS荒北VS真波]
第21章 ハコガク文化祭に行こー!
プルルルル……
のケータイが友人からの電話を着信した。
やっと来た……は思った。
最後にセラと会ったのは夏祭りでそれからずっとはセラへの不信感を抱えていた。
「……セラ?」
「ー!もうすぐ10月だけど、頭にあるハコガクの文化祭一緒に行こうよ」
「文化祭かぁ、いいんじゃない」
「一緒に行くついでに、当日、ゲリラライブで歌ってくれない?」
「はい?」
「もう、エントリーしておいたから。
詳しいことは後日、書類が届くと思う」
「はいいい??」
「新開くんも言ってたけど……あんた既にハコガクでちょっとした有名人らしいよ。
けっこうの歌、あそこのライブハウスまで観に行ってる生徒がいるみたい。
生徒会にもそういう輩がいて、私に相談してきたのよね」
「うん、セラは私のマネージャーだったっけ?」
は口では何となく毒付きながらも、夏祭りからのセラへのマイナス感情がさーっと退いていくのを感じていた。
自分のバンドじゃなくて、私をエントリーさせてくれたんだ……
まあ、お金にはならないって思ったからかも知れないけど。
そしてわくわくする気持ちも浮かび上がってきた。
ハコガクでゲリラライブかぁ……皆はどう思うだろう?
最後まで、聞いてくれるかな?
「で、あんたは誰の告白を受けるか決めたの?
誰も選ばないってことは、ないわよね。
私は別に、無理に選べって言ってるわけじゃないよ。
選んで、無事付き合うことになったとしても、もし別れたらの価値、下がっちゃうし……
でも無理にってかんじじゃなく、いるんでしょ?
ホントは好きなひと……
夏祭りまで一緒に行ったくらいだもんね?」
はぎくりとした。