第35章 幼魚と逆罰
感情が揺れて異形の動きが再開してしまう。
私は呪霊の上部から降りて、そのまま呪力をこめた小刀でイメージ通りにその足を切断した。
異形が動けないようにして、私は七海さんのほうを振り返る。
「七海さん?」
「今度は何!?」
「止めは待ってください!」
七海さんのストップに対して、虎杖くんとともに私も首を傾げる。
そんな私たち2人のもとに、七海さんがスマホを掲げて近寄った。
「これを見て」
「んー」
「私の相手を撮影しました」
「「……え」」
七海さんのスマホを覗き込んで、私と虎杖くんの声が重なった。
スマホの画面には時計をした腕が写ってる。
その画像を見て、虎杖くんは当然の疑問を口にした。
「呪霊ってこういうの写んないんじゃ……」
「……もしかして」
私が感じていた違和感の正体は……。
「落ち着いて聞いてください。私たちが戦っていたのは――」