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【呪術廻戦】無下限恋愛

第35章 幼魚と逆罰


 そうして、七海さんの任務に虎杖くんも合流。

 そのまま現場に向かおうとしたところで、私は五条先生に引き止められた。


「皆実」


 七海さんと虎杖くんの背中を追おうとしたのに、私は彼らに背を向けるように腕を引かれていた。


「静かにね。バレちゃうから」

「……っ…ぅ」


 そんな忠告とともに、五条先生が私の唇に自らの唇を重ねた。


「先…生……っ…だ…め……もう…むかう、ので」

「ちょっとくらいいいでしょ」


 唇を合わせたまま、五条先生が目隠しを少しだけずらして。

 大好きな瞳を見せてくれる。


「……七海とうまくやってるみたいで…安心した反面……ちょっとムカつくから」


 五条先生の長い舌がペロリと私の唇を舐めた。


「このカワイイの……僕のためにしてくれたんだとしたら……ちょっとは僕の機嫌が良くなるけど、どう?」


 五条先生が私の髪に触れる。

 五条先生に会うと、七海さんが事前に教えてくれたから。

 急いでサイドの髪を編み込んでハーフアップにしたのだ。


「……僕がちゃんと見たから……もう解いていい?」

「だ……め」


 五条先生の手が私のヘアゴムにかかる。

 解かれたらまた髪がボサボサになっちゃうから避けたいのに。

 私の動きを止めるように、五条先生が溶けるようなキスを再開して。


「何してるんですか、アナタたちは」


 七海さんが五条先生の頭を叩いていた。


「……っ、七海! 皆実とキスしてる時は術式解いてんだから手加減しろ」

「すみません。日頃の鬱憤も上乗せしてしまったようです」


 頭を摩る五条先生に七海さんは悪びれもなく淡々と告げる。

 そして五条先生から引き離すように、私の腕を引いた。


「行きますよ、綾瀬さん」

「あ……はい、すみません。……五条先生、それじゃあ」

「まだだっつーの」


 舌打ちをした五条先生が、腕を引かれている私の胸ぐらを掴んで。


「え? ……っつ!」

「……五条さん」


 五条先生が私の首筋に噛み付いてジュッと不協和音を立てた。

 五条先生のくれた首輪のチェーンの上に、赤い噛み跡がくっきり刻まれて。


「じゃあね、皆実」


 ひらひらと手を振って、五条先生が踵を返した。
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