• テキストサイズ

【呪術廻戦】無下限恋愛

第34章 心の師


「その布団、私のですよね? 持ちます」

「何を言ってるんですか。コレは私の、綾瀬さんはソチラで眠るんですよ」


 七海さんがそう言って、視線でベッドを促す。

 私は首をふるふると横に振った。


「いやいや、私が布団に寝るので七海さんはベッドに」

「育ち盛りの子を、こんな薄い布団に寝させませんよ」

「でもアレ……七海さんのベッドじゃないですか」

「なんですか。ちゃんとシーツは洗って、抜け毛が落ちてないことも確かめましたよ」

「そんなこと気にしてませんよ」


 なぜか話が脱線しそうになって、私は軌道修正するように言葉を続けた。


「そうじゃなくって、私がリビングで布団敷いて寝ます」

「却下。これも必要最低条件に加えましょう」

「条件は『七海さんがベッドで寝て私が布団で寝る』以外のみません」


 ただでさえ寝不足な顔してるんだから、眠り慣れた場所で眠るべきだ。

 たぶん私は間違ったこと言ってない。

 でも七海さんも、なかなか譲ってくれなくて。


「……五条さんとはどうしてたんですか? あの人がアナタを雑魚寝させるとは思えませんが」

「……ベッドで寝てました…けど」

「そうでしょう? だから、私も……」

「でも……っ! でも五条先生もベッドで寝てました!」

「なんですって???」


 私の発言に、七海さんが目を見開いた。

 でもすぐに「ああ、なるほど」と首を横に振った。


「……ベッドをもう一つ買ったんですね。あの人らしい発想です」


 七海さんが言い聞かせるように言う。

 そう思ってくれたなら、それでいいやと思って。

 あえて何も言わずにいたら、なぜか七海さんが自ら問いかけてきた。


「まさか……一緒にベッドで寝てたなんて言いませんよね?」

「アハハ……まさかー」


 そう告げた瞬間、七海さんが私にこう告げたのだ。


「綾瀬さん、アナタは痴女ですか?」
/ 612ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp