• テキストサイズ

【呪術廻戦】無下限恋愛

第34章 心の師


 七海さんの自宅マンションから徒歩15分の場所にある公民館。

 そこの奥にある貸切の道場で、激しい音が響き渡った。


「綾瀬さん、怪我は?」


 道場の畳と一体化してる私のことを見下ろして、七海さんが私に声をかける。

 スーツのジャケットを脱いで、ワイシャツを袖捲りした七海さんが手を差し伸べてくれた。


「……大丈夫、です」


 早速私は、条件通りに七海さんから体術指導を受けている。

 前に真希さんから稽古してもらっていた時同様……否、あの時みたいに空を飛ぶことはないけれど、もう何回も七海さんに投げられている。

 一応私が怪我しないようにと関節の部分にはプロテクターをつけてくれた。


「すみません……何度も」

「わざと投げられているわけではないでしょう。今はどうしたら私に投げられないかを考えてください」

「は、はい」


 おそらく五条先生だったら『皆実、マジで弱いよねぇ〜。弱すぎて笑っちゃうんだけど』などと煽るところ。

 七海さんは真剣に考えて、顎に手を添えていた。


「綾瀬さんは体重が軽いですから特に投げられやすいですね。もう少し筋肉をつけましょうか。腹筋・背筋・腕立て……それぞれ何回程度できますか?」

「腹筋と背筋は…50回くらいなら……腕立ては20回くらいです」

「ではこれから毎日腹筋と背筋を75回と腕立てを30回行ってください」


 私の可能回数より多めに設定して、七海さんが指示する。


「ですが、重心のかけ方は比較的上手ですね」
/ 612ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp