第26章 ※情②
制服に隠れた不自然な膨らみが、私の目の前に突きつけられる。
《どうした……早くしろ》
宿儺が私の顔をさらにその膨らみへと近づける。
《一から教えてやらねば、やり方も分からぬか?》
不気味なほどに優しい声音で言って、宿儺が空いている方の手で私の手を握る。
震えた私の手が、無理やり導かれて、布越しに熱い塊に触れた。
「い……ゃ」
《……っ、そのまま、取り出せ》
命令は終わらない。
私が手を動かさずにいると、痺れを切らした宿儺がまた私の手を勝手に操った。
虎杖くんの履いているズボンごと中に着ている物すべてをずり下ろして。
虎杖くんの、硬く反り勃った肉棒を、眼前に暴いた。
《目を逸らすな。……俺の生得領域でも見ただろう? オマエを求める小僧の欲望を》
「……手を……放して」
私の言葉など無視して。
宿儺は私の手をその硬い肉棒に沿わせる。
欲望に溢れた熱が、私の手を濡らした。
《ああ……そう…だ………そうやって……最初は、優しく……扱け》
私がしてるんじゃない。
宿儺に動かされて手が勝手に動いてるだけ。
それなのに。
《……オマエの手で…形が変わっていくのが……分かるか?》
分かりたくない。
私の手が、虎杖くんを欲望の熱で汚してることなんて。
分かりたくないのに。
宿儺の声が、私の頭を麻痺させて。
もう、どちらの手が主導権を握ってるのかも、分からないの。
《徐々に……早く…そう……ああ…良い、ぞ……皆実》
吐き出される吐息が、私の耳にかかる。
背中を丸めた宿儺は、わざと私の顔のそばに自分の顔を寄せていた。
《そろそろ……咥えろ》
耳元で、そう囁いて。
宿儺の手が私の頭をその指示通りに動かした。