第26章 ※情②
《俺との交わり方を……思い出してきたか?》
そんなの、思い出したくもない。
宿儺とのこの関係を、覚えたくなんかないの。
でも拒絶する私に教え込むように、宿儺の唇が私の身体を弄ぶ。
《もどかしいのだろう? ……俺が欲しくてたまらぬはずだ》
私の胸に吸い付くことをやめずに、宿儺が私を辱める言葉を選ぶ。
「いら……ない……いらないっ」
宿儺の言葉を、何度も否定して。
漏れる快楽の声を、どうにか拒絶で彩ったら。
不愉快そうに顔を歪めた宿儺が、私の口を塞いだ。
「……っ……ぅ…ん」
《……俺の呪力で満たさねば……本音も分からぬか?》
苛立った声で荒々しく舌を動かす。
言葉の形に舌が蠢いて、身体がどんどん痺れていく。
宿儺を阻むために作った無限のイメージは、簡単に壊れていった。
《少し……オマエを甘やかしすぎたようだな》
貪るように私の唇を犯しきって。
宿儺は小さく呟くと、私の腰を持ち上げた。
「な、に……」
宿儺の膝の上から、床へと下ろされる。
ソファーに座ったままの宿儺が、私のことを見下ろして。
そのまま私の頭に手を乗せた。
《……言っただろう? 綺麗なものは穢したくなると》
声が響いて、私の頭に力がかかる。
髪の毛を絡め取られて、そのまま宿儺の下腹部へと引き寄せられた。
「……やっ」
《俺の……否、小僧のモノを慰めろ。皆実》
あえて言い直して、宿儺がそう命じた。