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【呪術廻戦】無下限恋愛

第23章 雨後③


「信じられるか!!」

《信じる信じないの話ではない。これは〝縛り〟……誓約だ。守らねば罰を受けるのは俺》


 契ったら最後。

 この命が続く限り、縛りを解くことはできない。

 宿儺のことだから自分に利のない縛りを結ぶはずがない。だからこそ、この縛りが宿儺にどれほどの利をもたらすのか、見当もつかなかった。


《身に余る私益をむさぼれば報いを受ける。それは小僧が身をもって知っているはずだ》

「前は大丈夫だったろ!」

《あの時は俺も代わりたかった。オマエもあの術師に言われてやっただけ》


 宿儺は諭すように、虎杖くんのことを見下ろす。


《利害による〝縛り〟。呪術における重要な因子の一つだ》


 宿儺がそう告げると、虎杖くんが一つだけ尋ねた。


「もし俺が条件を呑んだら、皆実もちゃんと生き返るんだな?」


 あくまで私の心配をする、虎杖くんの優しさが……呪いでも何でもないのに心に突き刺さった。


《ああ。……無条件で、な》


 そんな嘘を、宿儺は簡単に口にして口角を上げた。


「……分かった、どいてくれ。条件を呑む」


 その返事を聞いて、宿儺は立ち上がる。

 虎杖くんの身体を解放して、虎杖くんが宿儺に向き合うように立ち上がった。


「何がしてぇのかよく分からんけど、まあ生き返るためだしな」


 そう言ってすぐ、虎杖くんが宿儺の左頬に右拳をめり込ませた。

 バキィッと、激しく骨を壊すような音が響く。


「なんて言うわけねぇだろ。俺も無条件で生き返らせろ。そもそもテメーのせいで死んでんだよ」


 虎杖くんの答えを聞いて、尚も宿儺は笑みを絶やさない。


《……ではこうしよう。今から殺し合って、小僧が勝ったら無条件で、俺が勝ったら俺の縛りで生き返る》

「『いいぜ』、ボコボコに――」


 虎杖くんが言い終わる前に、その顔が切り離されて飛んでいった。
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