第22章 ※雨後②
《それは……願いか?》
宿儺の叶える願いに、無償のものなどない。
そんなこと嫌というほど分かってる。
分かっていても、それだけは願わずにいられなくて。
頷いた私の頭を宿儺の手が支えた。
腰の動きは止めぬまま、宿儺が私の眼前に顔を近づける。
《ならば……オマエから俺に口付けろ。……それで等価だ》
そんなのが、本当に等価になるの?
疑問だけが頭を回って。
でも今の私にそれをちゃんと思考する力は残ってなくて。
もっと、酷いことをさせられると、思ってた。
だから拍子抜けしてしまったの。
それだって、本当は絶対嫌なはずなのに。
「……ん、っ」
自ら、宿儺の唇に舌を伸ばした。
舌が触れ合うのと同時、私の頭を支えていた手に力がこもって。
唇と唇が離れることのできないほどに合わさって。
「く、る……しっ、んっ、あぁ、う、ゃ、あっ」
息吐く暇さえ与えられない。
ドロドロに溶けたナカで、宿儺の昂りが異様な熱を帯びた。
《オマエは……本当に……》
私の唇に自らの唇を擦り付けて。
《媚薬だな》
そう口にして、宿儺が私のナカから自身をズルリと引き抜いた。
辺りの屍に、濃い白濁の飛び散る音が、私の耳を刺激した。
「……っ」
《まさか、これで終わりと思っていたわけではないだろう?》
宿儺の手が、私の秘部に触れる。
極限まで敏感になった身体。
クチュリと、入口を擦られたら、それだけで身体が制御できなくなるのに。
《……皆実》
宿儺がまた、私の秘部に自身のソレを擦り付けた――瞬間。
宿儺の熱が一気に冷めていくのを感じた。
目の前にある宿儺の顔に視線を移せば、不愉快そうに顔を歪ませている。
「な、に……」
《……興醒めだ》