第22章 ※雨後②
ぶつかり合う身体が、思考を奪うみたいに痛みとなって、呪力を廻す。
痛いのに、苦しいのに。
「や……ぁあっ、や、めて……やだ、ぁ……」
どうしてこんなにも、身体が溶けそうになっちゃうの。
どうして宿儺の身体に擦り寄ってしまうの。
答えなんて知りたくないのに、疑問だけが頭の中を彷徨ってる。
「い、……やな、の……いや、ぁっ、ん」
快楽に負けてふらつく私の身体を、宿儺がぎゅっと抱きしめた。
《……人の感情とは、ままならぬものだな》
宿儺の呆れるような声が、私の耳を掠める。
震える身体は、もう宿儺に絆されてるのに。
それでも頭は、五条先生のことだけを思い描こうとしてる。
《皆実》
宿儺が涙に濡れた私の顔を見つめる。
激しく突かれていた身体が、跳ね返るのをやめて。
宿儺の腰がゆっくりと、宥めるような動きに変わる。
《気持ち良いのか、気持ち良くないのか……それだけ素直に答えろ》
「そん、なの……っ」
《別に、煽るつもりはない。聞きたいのは、本音のみだ。オマエの、強がりなどいらぬ》
そんなことを言うなら、せめて動きを止めてよ。
ゆっくりされたって、思考が鈍るのに変わりないの。
ゆさゆさと揺さぶられる刺激に合わせて。
自分の身体が勝手に動いてしまってることも、ちゃんと分かってるよ。
分かりたくなくても、それが事実なんだって。
「い、ゃ……なん、です」
どうしたって、涙は止まらないの。
「五条、先生じゃ……ない、のに」
今の私は……五条先生がくれる快楽以外、欲しくないはずなのに。
「こんな……きもち、ぃ……のなんて、……知りたく、ない……です」
馬鹿みたいに溢れていく呪力が、全部答えなの。
痛いのに。
苦しいのに。
止まらない快楽に抗うことすらできなくて。
本音をこぼしたら、宿儺が私の唇を奪った。