第21章 雨後
《皆実、動くな》
「い、や……っ、見ないで!」
《こんなにも綺麗な身体を、隠そうとする意味が分からん》
宿儺はため息を吐いて、パッと私の手を離す。
手が解放されて私はすぐに、はだけてしまった学ランを合わせて胸を隠した。
そんな私の行動に、宿儺は肩を竦める。
《このままでは話が進まんからな》
そう告げて、宿儺は私の目の前に2本指を立てた。
《条件は2つ。①俺が望んだとき、オマエは俺に呪力を与えること。そして②この縛りを他言しないこと》
呪力を与える。
その条件が示す意味は、とても簡単。
呪力の与え方はいくつかある。
私が流した血を宿儺が舐めるだけでも、私の体液と宿儺の体液が混ざるから、私の呪力は流れる方へ転じる。
でも……。
《ただし、与え方は俺が選ぶ》
そう告げて、宿儺が胸を隠す私の手に触れる。
その行動が答え。
宿儺が選ぶ呪力の供給方法は、私との交わりだ。
「そんなの……頷くわけ」
《何故だ? 俺とまぐわうだけで、オマエは生き返れるのだぞ?》
こんなにいい条件はないだろう、なんて。
宿儺は平然と言ってくる。
《俺から快楽も与えられて……》
宿儺が私の髪を苦しいほどに優しく撫でた。
《あの男に、もう一度逢えるのだぞ?》