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【呪術廻戦】無下限恋愛

第21章 雨後


《蘇生は反転術式の中でも、高度の呪力操作を要求される。並の人間にそれは不可能だが……俺にはそれができる。遠隔にある皆実の肉体も簡単なこと》

「私に反転術式は……」

《術式を吸収するのはオマエの魂だ。魂の抜け落ちた状態であれば肉体に反転術式は施せる。術式を解除する前に、皆実の身体を治してしまえば、生き返ることが可能だ》

「……でも、術式を解くには……虎杖くんの魂を殺さなきゃいけない、です」

《それとて簡単なこと。小僧を殺してすぐに、その魂を反転術式で繋ぎあわせればよい》


 もしも宿儺の話が本当なら、私と虎杖くんは確かに両方生き返ることができる。

 でも、そんな上手い話があるの?


「……並の術者が使えないほど強力な術式なら、私の【玉響】と同じで、対価が必要……でしょう?」


 私の返事に、宿儺は満足げな相槌をうつ。


《だから〝縛り〟を設ける。もちろん小僧にも》


 宿儺はそう告げて、私の胸にかけていた手を後頭部へと滑らせる。

 首筋の傷口をなぞり、そのまま私の後頭部に手を回して。

 無理矢理、私の顔を正面に向かせた。

 眼前には宿儺の顔。

 笑みの消えた顔は、何の感情も浮かべていない。


「そうまでして……あなたが私を、生き返らせる……意味は?」

《事情が変わった。……今言えることはそれだけだ》


 宿儺は言葉を濁す。

 でも私を生き返らせる理由が、宿儺の中には明確にあって。

 この取引は、おそらく等価の利害で成り立ってる。


「その、条件は……?」


 私が尋ねると、宿儺は口角を上げて。

 私の胸を隠す最後の一枚の布を破った。


「……っ!」

《隠すな。……ちゃんと見せろ》


 隠そうとした腕は宿儺に縛られて、持ち上げられる。

 まじまじと宿儺が私の胸を見て、感嘆するように声を上げた。


《……やはり、オマエは俺のものにする》


 宿儺がそう呟くけれど、私はそんなのに構ってられなくて。

 私の腕は宿儺の腕に縛られたまま、宿儺の目の前に曝け出された胸をどうにか隠すべく身を捩った。
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