第19章 大波乱⭐︎一年生親睦会③
身体が動かせないから抵抗もできなくて。
(……起きたばっかなのに)
また、頭が変になる。
「……ね、皆実。……実際、ダメ? やっぱ身体キツい?」
(バケモノか、この人)
昨日あれだけシといて、まだできるの?
てゆーかなんで動けるの?
私の身体は全然動かないんだけど。
動かそうとしたら激痛で、起き上がれる気がまったくしない。
だからこの五条先生の問いかけに、私は「ダメ」という答えしかできないはず、なのに。
抵抗せずに、五条先生のキスに応えてる私も大概気が狂ってる。
「……皆実のそういうとこはマジでずるいと思うわ」
五条先生が呆れ混じりの声で言って、キスを深めた。
「僕以外にそんな顔見せたら、マジ説教ね」
私は五条先生からあと何回説教宣告されればいいんだろう。
そんなに悪いことしてないと思うんだけど。
どっちかっていうと……
今五条先生と交わしてるこのキスが、1番の悪いコトでしょ。
受け入れるだけで精一杯のキスを、何度も何度も繰り返す。
こんな明るい部屋の中で、
似つかわしくない淫らなリップ音が響いてる。
「……五条、先生」
私が呼んだら、五条先生が笑いかけてくれる。
五条先生の濡れた唇が、返すように私の名を呼んだ。
「皆実……」
キスをして、五条先生が私の胸の膨らみに手を添えた――そのとき。
五条先生のスマホが着信を知らせた。