イエローサブマリンの船長に溺愛されて北の海の果てへ[ロー夢]
第1章 その処刑、待った!
男は街の裏側の海岸までをかついで走ってきた。
???「すまない、助けるのが遅れたせいで髪が焦げてしまったな」
「……気にしない。どこのどなたか知らないけど、命を助けてもらったんだもの。どうせなら髪を焦がす前に助けてほしかった、なんて思ってないです」
???「思ってるじゃねーか。でもお前、奴隷だったんだろう?よく髪を伸ばすことを許されてたな。焦げてしまったとはいえ、随分つやがあってきれいだ」
「……明日切り取られて貴族の為のかつらの材料になる予定だったの」
ザクッ。
「えっ……?髪、切られた……」
???「焦げた部分だけだ。……お前、オレと共に来るか?この帆船『蒼星屑号』と共に。オレならお前に髪を売るなんてことさせない。過去の辛い思いは、この髪の残骸と一緒に、海に撒いてしまえ」
はらはらはら……。
「一緒に行きます。でもご主人様短髪だし、撒かずにかつら作ればよかったのに」
???「よけーな世話だ。あとご主人様じゃない、ローだ」
「名前呼びのプレイの方がお好みなんですね、分かりました」
ロー「……お前をクルーとして、船に乗せる」
「新しい奴隷生活の始まりかぁ。今度は海上なだけ、退屈は減りそうだけど……。なーんてね、もう奴隷はまっぴら。すきをみて、逃げ出してやるわよ!私は、自由に世界を見て廻りたいんだから!」
ローはそばに停泊していたイエローの潜水艦へを導いた。
「す、すごい……!イエローの潜水艦?!」
ロー「そう、こいつがオレたちの冒険を支える潜水艦だ。
名をイエローサブマリン号という」
「かっこいい……!」
イエローサブマリンの船上、甲板にて。
時刻は夕方になっていた。
ロー「、今晩は、お前の歓迎の宴だ。楽しめ」
「奴隷が加わってわざわざ宴を開くなんて、変なの。きっと、騒げれば何でもいいのね」