イエローサブマリンの船長に溺愛されて北の海の果てへ[ロー夢]
第1章 その処刑、待った!
北の海、とある島の石畳の広場では群衆が目の色を変えてこれから始まる見せ物に期待していた。
点火係「これより奴隷の皮を被って雌伏していた若き魔女の処刑を執り行う!一度だけ問おう、貴様は、魔女か?」
「ならば、あなたたちは、人間か?同胞を奴隷とするに飽き足らず、ついには火で炙るような卑劣なあなたたちが」
点火係「何たる生意気!その不遜な蒼き眼差しと見目でいずれ男を惑わす厄災となることは明白!問答無用!点火っ!」
ボウッと火が着けられた。
点火係「汗がどんなに伝っても涙は伝わない、か。本当に生意気な魔女だ」
凄惨な状態の中で、はある歌を思い出していた。
かつて歌っていた夢の歌を。
???「その処刑、待った!」
点火係「何だ貴様は?魔女の仲間か?だが、もう遅い!」
???「遅くねーよ、あいつの目は、まだ死んじゃいねー!」
男はザバッとバケツの水をかぶった。
点火係「何だと?!まさか、貴様あの炎の中に入っていく気か?!や、やめろっ!」
男はためらわず、燃え盛る炎へ突入すると、を拘束する縄を切りさき、熱い身体をがしっと抱きかかえる。
???「こいつはオレがもらう、あばよ」
点火係「助け出しただと?!逃がすか!追え!」
???「ペンギン!」
ヒュンヒュンヒュン!と超絶剣技の風斬り音がする。
ペンギン「あいよ、船長!任されたっ!」
点火係「一人で我々百人の部隊を食い止められるとでも?」
ペンギン「安心しろ……。千人いようとお前らじゃオレ一人の足元にも及ばん」