イエローサブマリンの船長に溺愛されて北の海の果てへ[ロー夢]
第4章 裏切り者舞うダイビング・ヘッド!
ロー「てめぇ、のらりと登場しやがって!お前が裏切り者だってことは、もう割れてんだよ!」
シャチ「オレたちは、とっくに敵国……あの火刑の島の政府に通報されて全員指名手配されちまったんです!捕まれば極刑のデッドオアアライブ……!賞金稼ぎに何度狙い撃ちされてもおかしくなかったんです!」
ロー「それが本当なら、なぜ黙ってた……!」
シャチ「知ったら、あんた自分一人犠牲になる道を選んだでしょう!オレはオレが犠牲になってもいいから、船長には祖国への手紙を届けて欲しかった……そしてにも生きて欲しかった……自由に」
ペンギン「えーと、つまりお前は、船長が好きなのか?」
シャチ「好きだっ!」
ロー「……やれやれ、しかたねーな。生粋の敵国のスパイなら、殺すしかなかったが、旗揚げから一緒のシャチがスパイのはず、なかったか。教える、あのな、オレの本当の届け物は……」
…………。
シャチ「えっ、そういうわけなら、オレ、船長に協力します!」
ペンギン「調子いい……許すのか?船長……」
ロー「許す。シャチはオレのクルーだ」
ベポ「アイ〜!船長大変だ!が誘拐されたらしいよ!」
冷たい鉄格子の中では一人震えていた。
「冷たい、鉄格子。無機質な床。私はセラって人に誘拐された。でも、もうどうでもいい」
セラ「あらあら、火刑の話をしたとたん、抜け殻みたいになっちゃって。変な子ねー」
セラ「どうしても火刑の少女を、社会的に抹殺する必要があってやったってことと、本当は点火前に颯爽と現れる予定だったのが、少女に魅入られて遅れたってことは、言わないほうがよさそうね」
セラ「ここはあなたの鳥かご。ローの本当の届け物でこの国の王女たる、あなたのね」
「王女?何を……言ってるの?鳥かご?ハッ、ローさんも鳥かごがどうとか、言ってた……私が離れたらどこまでも追って、閉じ込めてしまうぞって……今まさにその状況……もしだけど私を助けに来たローさんが捕まって、手紙を届ける使命が途絶えるようなことがあったら……!」
セラ「ふふ、タイムリミットみたいね、解放のお時間よ。いらっしゃい。きれいに飾り立ててあげる。私がじきじきに……ね」