第4章 水
眠っている宇宙を目の前にして、オレはまたあの疑問が浮かぶ。
(何でコイツは、泣くの我慢するんだろう?
そんなに、昔会った人との約束が大事なのか?)
「相変わらず、宇宙は泣くの我慢してる?」
「え…?まぁ、そうですね。」
オレが思っていることと、似たようなことを聞かれたから、少し驚く。
「そっかぁ…。」
と、その子は一瞬、悲しそうな表情を浮かべながら言った。
(この人も心配しているのかな?)
オレは思い切って、聞いてみることにした。
「あの、コイツが泣かないのは、昔会った人との約束を守っているからですよね。」
「昔の約束のこと聞いたんだ!そうだよ。」
「そんなに、昔会った人との約束が大事なんですか?
アイツ泣くの無理に我慢して…、オレには苦しそうにしか見えないんです。
だから、その約束が原因でアイツを苦しめてるとしか、考えられなくて…。」
「白井くんって、優しいんだね。」
(へ…?優しい…?)
「い、いや…別にそんなことは…。」
オレは慌てて否定する。
その様子を見てその子は、ふふふと笑う。
そしてオレに、なぜそこまでして宇宙は約束を守ろうとするのか、教えてくれた。