第4章 水
少し間を置いて、白井くんは話し始めた。
「お前が泣いてたのって、中で話してた女子達が原因だろ。」
「…!!なんで…。」
「ほら、やっぱりな。そうだと思った。お前、嘘つくの下手すぎ。」
「……。」
私がなぜ落ち込んでいたのか、どうやら白井くんは初めから知っていたようだった。
「たまにはさ…」
「え?」
「…たまには泣いたっていいじゃん。」
白井くんは優しく微笑む。
「で、でも……」
「本当は泣きたいほど、辛いんだろ?」
「……。」
私は黙って頷く。
すると、今まで我慢していた涙が、とめどなく溢れ出した。
「うぇーーん!!」
こんなに、大泣きしたのはいつぶりだろう。
私は小さな子供のように、顔をくしゃくしゃにしながら泣いた。
白井くんは黙ってそばにいてくれて、たまに頭をなでてくれた。