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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第10章 意外な弱点


入団式から一月ほど経ち、兵団での生活に慣れつつあったジル達だったが、一つ気がかりな事があった。
それは壁外調査についてである。
未だ人類は巨人の領域から人類の活動領域を増やすことが出来ずにいる。
増やすどころか巨人に太刀打ち出来ずにいるのだ。
そんな状況下で人類の税を多額に投入される壁外調査に意欲的な貴族は少数派で壁外調査を行う事が困難になりつつあった。

もともと調査兵団自体、壁外不干渉の方針をとる王政に疑問を唱える民衆の不満を解消させる為の組織であると言っても過言ではないだろう。

だが、何の成果も上げられず、巨人の恐怖を思い起こさせ、いたずらに民の税を使い巨人の餌になる調査兵団に今度は民衆が不満を持った。
今となっては、調査兵団という組織は王政が説く壁外不干渉の正当性を民衆に見せつける為の見せしめとなってしまった。
それゆえ、調査兵団が行う壁外調査に貴族も民衆も協力的な姿勢ではなく、壁外調査を行うのもそう容易いなものではなかった。

そんな状況下でジル達は兵士としての訓練や馬の世話をしながら日々を過ごしていた。




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