〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第1章 あの日の誓い
「エルヴィン。
幼い頃に誓ったあの誓い─
もうすぐ“ 答え”が解るわね」
巨人達の侵入を許し、
かつてのシガンシナ区の街並みとは違う様子を
壁の上から眺め、エルヴィンとジルは互いの目を交差させる。
「あぁ、だがその前に──」
「えぇ、解ってるわ。
先ずはシガンシナ区を奪還、ね。
エルヴィン、必ず生き残って答え合わせするわよ」
「そうだな、漸くここまでこれた。
ここまで来るのに色んなものを無くした。
だが、それもこれで──」
エルヴィンは無くした腕を反対の手で擦ると、再びシガンシナ区へとその鋭い眼光を向け、幼き頃の事を思い出すかのように目を閉じた──