第1章 カカシ 1
病室の前に行くと、暗部がいた
頭を軽く下げ、中に入る
すうすうと寝息をたて、カカシが眠っている
きれいな銀髪が、光でキラキラしている
窓をあけ、風を部屋に入れる
カーテンがゆれ、カカシの銀髪をゆらす
まだあどけない少年の寝顔をみていると、ふいに目が開いた
「???トーコ、さん?」
「カカシ、わかる?あ!!起き上がらなくていいよ!ゆっくり、ゆっくりでいいから」
「はい・・」
すぐに起き上がろうとするカカシに手をかし、ゆっくり抱き起こす。
「先生呼んでくるね」
医師の話では、身体の怪我はもう大丈夫だが、心の回復は時間がかかるらしい。
「カカシ、家に帰ろう?命、狙われるかもしれないから、私がそばいる」
「トーコさんが?俺と一緒にいるってこと?」
「うん、嫌だったら、他の人を探してもらう。どう?」
「トーコさんで、大丈夫。トーコさんはいいの?」
「私?私は任務だから・・・あなたを守ってみせる!だから、そばにいさせて!」
「・・・」(なんだ・・任務だから、か・・)
「あ!いまちょっと不安に思ったでしょ!!1分・・いや30秒時間を作れば、すぐに暗部が助けてくれる」
「30秒?」
「もし、何かがあっても、私が時間を作ってる間に、暗部がくるから、大丈夫よ~」
「・・・」自分の命を削って、30秒をつくるつもりなんだ。
「カカシ、だいじょうぶだって!そんな心配そうな顔しないでよっ」